インプラント周囲炎は、歯周病菌により、インプラントの周辺組織が炎症を起こしている状態です。
また、こちらは自覚症状が少なく、気付いたときには重症化しているケースも多い症状であり、発症した場合には治療が必要です。
今回は、インプラント周囲炎の主な治療法について解説したいと思います。
〇非外科的治療
軽度のインプラント周囲炎の場合は、外科手術を行わない方法で治療するのが一般的です。
具体的には、以下のような治療が行われます。
・インプラント周囲の歯石除去
・歯周ポケット内の洗浄と薬剤の注入
・抗生物質の投与
・ブラッシングや生活指導
これらの治療を軸に、少しずつインプラント周囲の炎症を改善していきます。
特に、自宅では落としきれない汚れや歯石を除去する治療は、初期段階のインプラント周囲炎における治療として欠かせません。
〇外科的治療
上記の非外科的治療を行っても、症状が改善されない場合や、インプラント周囲炎が重度まで進行し、人工歯根を支える顎の骨が溶けている場合などは、外科手術が行われます。
ここで用いられる主な治療は、切開療法と再生療法です。
切開療法は、歯茎を切開し、炎症を引き起こしている組織を切除するという方法です。
具体的には、人工歯根の表面の消毒、研磨を経て、メスを使用した炎症箇所の切除が行われます。
また、再生療法は、細菌感染によって失った歯茎や顎の骨を回復させる治療であり、こちらには自身の骨や人工歯を移植して顎の骨を増やし、メンブレンという膜で覆うGTR法が用いられます。
〇インプラント周囲炎を放置するとどうなる?
インプラント周囲炎を治療せずに放置すると、骨が溶けていき、最終的にはインプラントが抜け落ちます。
また、歯周病菌がインプラントの周囲にとどまらず、他の歯にも感染を広げていくと、多くの歯が歯周病を発症することになりますし、インプラントがグラグラして不安定になっている場合は、噛み合わせにも影響ができます。
ちなみに、インプラントの周囲の組織が破壊されてしまうと、完治させるのは難しく、処置やメンテナンスを徹底的に行ったとしても、維持できる確率は60%程度しかありません。
〇この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・軽度のインプラント周囲炎は、外科手術を伴わない方法で治療するのが一般的
・特に重要なのは自宅では落としきれない汚れや歯石の除去
・重度のインプラント周囲炎は、切開療法や再生療法などの外科手術によって治療する
・一度インプラント周囲の組織が破壊されてしまうと、完治させるのは難しい
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!
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