口内に痛みがあったり、違和感があったりといった理由で、歯科クリニックを受診する方は多いかと思います。
しかし、このような症状は、必ずしも歯に原因があるとは限りません。
ここからは、歯以外が原因とされる“歯科心身症”の概要や主な種類、症状、治療法について解説したいと思います。
〇歯科心身症とは?
歯科心身症は、別名口腔心身症とも呼ばれるもので、その発症や経過に心理社会的要因が密接に関与した、口内の疾患や不快症状のことを指しています。
よりわかりやすくいうと、口に関連する器官の感覚に異常が発生する症状であり、治療期間も長期になることが多いです。
また、患者さんによって現れる症状は多種多様で、さまざまなケースがあることも、歯科心身症の大きな特徴だと言えます。
〇歯科心身症の主な種類、症状
歯科心身症の主な種類としては、まず“口臭恐怖症”が挙げられます。
こちらは、実際は生理的範囲内に収まっているにも関わらず、「自分には強い口臭がある」「自分の口臭は他人に迷惑をかけている」と思い込む症状を指しています。
一日中口臭を感じることから、日常生活に支障をきたすことも珍しくありません。
また、歯科心身症の種類には、“舌痛症”も挙げられます。
舌痛症は、舌に異常がないものの、舌の痛みが継続して発生している状態を指し、歯科治療後などに見られることもあります。
その他、痛みではなく、口内に何かしらの異物感(歯の上に何かが乗っている等)があるものの、実際には特に何もないという症状を“体感異常症”もしくは“体感幻覚症”といいます。
〇歯科心身症の治療法は?
歯科心身症にはさまざまな症状が見られますが、場合によっては歯科クリニックでの治療も可能です。
例えば、口臭恐怖症の場合、歯科クリニックで口臭測定を行い、問題がないことを確認した後、心理療法や向精神薬などを用いて治療を行うことがあります。
ただし、特に原因が見当たらない舌痛症や体感異常症、体感幻覚症については、歯科クリニックで治療するのが困難な場合もあります。
このような場合は、総合の口腔外科もしくは大学病院を受診することになります。
〇この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・歯科心身症は、発症や経過に心理社会的要因が関与した口内の疾患や不快症状をいう
・一般的に治療期間が長く、人によって現れる症状が異なるのが特徴
・歯科心身症には口臭恐怖症、舌痛症、体感異常症・体感幻覚症などがある
・歯科心身症は歯科クリニックや口腔外科、大学病院などで治療することができる
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!
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