カリソルブ療法とも呼ばれるカリエスプロは、薬剤によって化学的に虫歯を溶解し、手用器具で除去を行う治療です。
このとき使用される薬剤は、主に次亜塩素酸ナトリウム、3種類のアミノ酸で構成されています。
今回は、これらカリエスプロの薬剤における主成分の概要、効果について解説します。
〇次亜塩素酸ナトリウム
次亜塩素酸ナトリウムは、塩素系除菌漂白剤の主成分です。
一般的に、殺菌や消毒を目的とし、上下水道や食品などにも使用されています。
歯科業界でも、消毒用の薬として使用される機会が多いです。
また次亜塩素酸ナトリウムには、大腸菌や黄色ブドウ球菌など一般細菌やウイルスに対し、広く殺菌・消毒・不活化効果があります。
ここでいう細菌には、当然虫歯の原因菌も含まれています。
次亜塩素酸ナトリウム製剤が皮膚についたり、目に入ったりした場合は危険な症状につながることがありますが、カリエスプロの薬剤ではそのような心配はありません。
〇アミノ酸
カリエスプロの薬剤には、以下の3つのアミノ酸が含まれています。
・グルタミン
・ロイシン
・リジン
これらの成分は、健康な歯質への攻撃的な作用を抑える働きをしています。
グルタミンは、体内にもっとも多く存在するアミノ酸で、こちらには皮膚を守る働きがあります。
そのため、薬剤の働きによって炎症などが起こることを防止できます。
またロイシンは、筋肉の成長に欠かせない必須アミノ酸の一つであり、エンドルフィンと同様の効果があるため、治療のストレスを緩和することが期待できます。
さらに、人体を構成するタンパク質の組み立てに必要なリジンも、細菌に強いアミノ酸として機能します。
リジンには、唇などに疱疹を起こす単純疱疹の原因となるウイルス感染を予防・改善する効果があります。
つまり、感染症に対して抵抗力を高める効果を持っているということであり、カリエスプロでもプラスに働きます。
カリエスプロの薬剤は、上記の成分が虫歯の部分のみに作用します。
歯の健康な部分には作用しないため、歯の寿命を延ばしながら虫歯治療を受けることが可能です。
〇この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・カリエスプロの薬剤は主に次亜塩素酸ナトリウムと3つのアミノ酸で構成される
・次亜塩素酸ナトリウムには細菌やウイルスの殺菌・消毒効果がある
・グルタミンは薬剤によって炎症などが起こるのを防ぐ成分
・ロイシンは治療のストレスを緩和できる
・リジンは感染症に対して高い抵抗力を持つ成分
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!
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