新潟市西区の歯医者、新潟西歯科クリニック|ブログ

【新潟の歯医者で歯周病治療】歯石取りが1回で終わらないのはなぜ?

歯科クリニックで歯石取りを行う際、通常は虫歯治療と同じように、何度か通院しなければいけません。
1回だけで施術完了するというケースは稀です。
では、なぜ歯石取りは1回で終わらないのでしょうか?
今回は、複数回に分けなければいけない主な理由について解説します。

患者さんの身体的負担を考慮するため

歯石取りが1回で終わらないのは、患者さんの身体的負担を考慮しなければいけないからです。

一度にすべての歯石を取り除こうとすると、治療時間が長くなり、痛みや疲労、出血といった負担が大きくなります。
特に歯茎の奥深くに歯石が入り込んでいる場合、例えば歯周病が進行している場合などは、処置による刺激が強くなることから治療部位を分けて実施されます。

また一度に広範囲の歯石除去を行うと、単純に処置が不十分になる可能性もあります。

保険診療のルールと制限があるから

保険診療のルールと制限があることも、歯石取りが1回で終わらない理由の一つです。

日本の健康保険制度では、歯石除去の範囲や回数に制限が設けられています。
一度の診療で全顎(口全体)の歯石取りを行うことは、保険診療上認められていないことが多く、通常は上下左右の顎を複数回に分けて行う必要があります。

また歯石除去は歯周病治療の一環として行われるため、処置後に歯茎の炎症が治るまでの治癒経過や、治療の効果を確認するための期間が必要です。
そのため、複数回の通院が前提となります。

歯石の付着量や歯周病の進行度合いが違うから

歯石の付着量、歯周病の進行度合いについては、患者さんによって異なります。
歯石の量が多い場合や、歯周病が進行して歯周ポケットが深い場合などは、その分歯石除去に時間がかかり、複数回に分けざるを得ません。

ちなみに、明らかに歯石の付着量や歯、歯茎の汚れが少ない方は、歯石取りが1回で完了することもあります。
こちらは正確にいうと、歯石の付着量が少なく、なおかつ歯周病の症状がほとんど見られないケースです。

歯石除去は、明らかに歯石の量が増えているとわかった段階や歯周病の自覚症状が出た段階でなく、そのもっと前のタイミングで受けるのが望ましいです。

この記事のおさらい

今回の記事のポイントは以下になります。

・一度にすべての歯石を取り除こうとすると、治療時間が長くなり、痛みや疲労、出血といった負担が大きくなる
・日本の健康保険制度では、歯石除去の範囲や回数に制限が設けられている